2016.10.19 現在
土井 泰幸(2013年入学)
名古屋工業大学 大学院工学研究科 博士後期課程 未来材料創成工学専攻
●なぜ、博士後期課程に進学したか
学部、修士での研究活動を通して、調査した内容や現在までの
知見を基に仮説をたて、研究を進めて行くことに面白みを感じ
もっと研究を続けたいと感じたからです。また、将来研究者と
して働きたいと考えており、企業への就職を考えた場合でも、
博士号取得者であれば研究者として働ける可能性が高くなると
考えたからです。
●今どのような研究をしているか
工場や車などからの排ガス中に含まれる有害な物質を分解、除
去する大気環境浄化触媒について研究を行っています。現在環境浄化触媒には、白金などの希少な貴金属が多量に使われているという現状があります。私は高活性な触媒を開発することにより貴金属使用量の低減、環境負荷の低減を目指し研究を行っています。
●博士後期課程の生活について
基本的に修士までとあまり変わらないと思いますが、授業がほとんどないので研究に集中して取り組める環境があると思います。また、国内外の学会に出るチャンスも多く、充実した研究生活が送れると思います。
●博士後期課程に入ってよかったこと・苦しいこと
良かった点は将来につながる人脈が形成できたことです。学会や講演会、先生の紹介などを通して同じ分野の研究者の方のお話を聞くことができました。また、同世代の博士課程の学生と知り合えたのも将来研究者と働く上でプラスになると思います。 苦しかった点は特に思いつきませんが、国際学会での発表の際は英語の発音に苦労しました。
●博士後期課程修了後の進路(希望)
今の研究と関連のある分野の企業から内定を頂いています。アカデミックに進むか、民間企業に就職するか迷いはあったのですが、これまで研究を行ってきた分野について、より製品に近いフェーズでの研究がしたい。また、現在の専門分野だけでなく、もっと広い視点を持つことで、独創的な提案をすることができる研究者になりたいという考えから企業への就職を決めました。
●博士前期課程学生へのアドバイス
博士後期課程まで進学すると、一般企業への就職を考えた際に選択肢が狭まる、難しいといったイメージがあると思います。しかし一方で、大手民間の研究所やアカデミックポスト、海外企業への就職などを考えた際には、博士号の取得は有利、あるいは必須であるというケースも多くあり、将来の選択肢が広がるという考え方もできると思います。将来研究者として働きたいという思いがあるなら、博士課程進学は決して悪い選択肢ではないと思いますし、チャレンジしてみる価値はあると思います。
◆羽田研究室 http://www.crl.nitech.ac.jp/env/index-j.html