科学立国の危機: 失速する日本の研究力
豊田長康 2019年2月発行
学術論文数がGDPに比例しているということをご存じでしょうか。
それは研究結果(論文や特許等)が社会にもたらす経済的インパクト(イノベーション)とは、研究に従事した、優れた人材(博士課程修了者)が育成されてからこそ可能であるということ。これら高知的人材が社会に貢献することが、日本の国際的競争力を高めることが出来るのかもしれません。
厚みのある本ですが、グラフと読みやすい文章でまとめてあり、興味深い分析が満載です。著者は日本の大学の研究教育力を様々な面から分析、数値化し、他国のそれと比較することにより、日本の研究力の危機を訴え、研究力アップの必要性を提示します。
日本での研究者の社会的地位は軽視されがちですが、実は彼ら・彼女達が日本の経済に大きなインパクトを与えることが出来る鍵を握っている…研究者というキャリアパスを再度確信し、日々の研究生活でのモチベーションをアップ出来るかもしれません。
★★★★☆(N.M. 2020年1月)