炭素文明論:「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書)
佐藤健太郎 新潮社 2013年7月発行
周期表に惹かれて化学を専攻したレビュアーとしては、大変魅力的な読書となりました。 やっぱり元素ってすごい、その中でも炭素の特別な存在を実感しました。理系工学系でなくとも楽しめる、ポピュラー・サイエンスブックです。日常生活に身近なデンプン、砂糖、アルコール、カフェイン、ニコチンなど、炭素化合物を主役としたショートストーリー集と表現出来るでしょう。著者は医薬品メーカーの研究職を経て、サイエンスライターとなったとあります。語り上手で、最後まで読者を飽きません。研究の合間のコーヒーブレークにお勧めします。
★★★★☆(N.M. 2020年1月)