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活動・成果 2019年度

中村修一 材料科学フロンティア研究院 副院長らのグループ

2019年12月23日

中村修一先生の研究成果が製品化されました。

近年、環境調和性を見据えた理想的な合成プロセスを開発するうえで、新しく高機能な触媒分子の創製が強く求められています。

今回、製品化された触媒分子は、医農薬、香料などの原料として需要が非常に高い光学活性な化合物を合成するために設計された触媒で、少量の添加で大量の光学活性物質を合成することが可能です。立体選択性も高く、社会に役に立つと判断され、試薬として販売が始まりました。

参考URL

https://www.tcichemicals.com/eshop/ja/jp/commodity/B6146/

 

沖 超二さん、 吉川 優さん(築地真也研究室) 材料科学フロンティア研究院 博士後期課程

2019年12月12日

10月15日(火)~17日(木)に開催された日本化学会秋季事業・第9回CSJ化学フェスタ2019(船橋タワーホール)で、共同ナノメディシン科学専攻の沖 超二さんが最優秀ポスター発表賞(CSJ化学フェスタ賞)、吉川 優さんが優秀ポスター賞をそれぞれ受賞しました。

 

「 細胞機能の制御と解明のための新しい光化学遺伝学ツールの開発」

最優秀ポスター発表賞 沖 超二

 

ヒトを含む動物の組織や細胞では、さまざまなシグナル伝達プロセスが高い時空間分解能で制御されています。例えば、組織中では、特定の細胞の活性化が細胞―細胞間のシグナル伝達を引き起こすことが知られています。また、細胞が運動や分裂といった機能を精密に発現するためには、単一細胞内の特定の場所(局所)で特定のタンパク質が活性化することが重要です。そのため、さまざまな生命現象を解明するためには、細胞集団中の狙った細胞のみを活性化したり、単一細胞の局所を狙って特定のシグナル伝達を活性化することのできる時空間分解能の高い生体操作技術が必要です。

 本研究では、築地研究室が世界に先駆けて開発した「タンパク質局在制御化合物」に光スイッチを導入した分子ツールを新規開発し、これを用いた細胞内シグナル伝達光操作システムを構築することに成功しました。本システムは、光を照射した領域でのみシグナルタンパク質の活性化を誘導できるため、多数の細胞集団中の狙った細胞のみを活性化することや、単一細胞(シングルセル)の局所で細胞運動を誘導することも可能でした。本技術は、拡張性が高く、光機能性化合物(ケミストリー)を用いて細胞機能(バイオロジー)を光操作する新しい光化学遺伝学ツールとして、基礎細胞生物学から再生医療・細胞治療などの幅広い分野に応用できるものと期待されます。

沖 超二さん

              

沖 超二さん

 

「人工オルガネラと化合物を用いて細胞内分子を操る(1):シグナル不活性化システム」                                                                                                優秀ポスター賞 吉川 優

 

生きた細胞内の狙ったタンパク質を化合物で特異的に制御する技術は、生命現象や疾患のメカニズムを解明するツールとなるばかりでなく、創薬ターゲットの同定や、細胞機能の制御など、さまざまな生命研究に貢献する重要な基盤技術となります。しかし、タンパク質の構造や機能はきわめて多様なため、さまざまなタンパク質の機能制御に適用できる汎用的な化合物技術というのは未だ確立されていません。

本研究では、細胞質中の標的タンパク質を化合物の添加によって瞬時に閉じ込めることのできる人工オルガネラシステムを開発することに成功しました。人工オルガネラに閉じ込められたタンパク質は周囲から隔離されため、その機能を発現できなくなります。つまり、本手法を用いることで、さまざまな細胞内タンパク質の機能を簡便に(化合物の添加によって)不活性化できます。細胞内に人工オルガネラを構築し、その内部に標的タンパク質を隔離するという方法論はこれまでになく、本手法はタンパク質機能制御のための革新的なブレイクスルーになるものと期待されます。

吉川 優さん

 

吉川 優さん

参考URL

築地研究室 

http://tsukijilab.web.nitech.ac.jp/

日本化学会

http://www.chemistry.or.jp/

プレスリリース(名古屋工業大学)

https://www.nitech.ac.jp/campus/news/7991.html

 

第2回『ドクターの先輩と話そう!ドクターコースランチ会』

2019年11月15日

 

1112日(火)、本学4号館において、第2回ドクターコースランチ会が開催されました。

本会は、博士後期課程進学促進策の一環としてフロンティア研究院が企画し、博士後期課程に興味のある学生を対象に、現役の博士後期学生や先生方に気軽に質問や相談ができる場として開催するものです。108日(火)の第1回目に続き、今回が2回目の開催でした。

 

今回は、情報工学専攻の加藤昇平教授、生命・応用化学専攻の中村修一教授をはじめ、現役の博士後期学生の江口僚太さん(情報工学専攻)、Chen Minghuiさん(電気・機械工学専攻)、伊原滉也さん(情報工学専攻)が相談員となり、参加者14名からの質問に対して、回答やアドバイスをしていただきました。

 

参加者からは、「普段話すことのない他の研究室の先輩博士後期課程学生と話せて面白かった」「知らないことが色々と聞けて良かった」などのコメントをいただき、「また参加したい」という声も聞かれました。

今後も、毎回、相談員が変わり、毎月1回(主に第2火曜日)の開催を予定しています。同じ質問に対しても、色々な先輩博士学生のお話や経験談などが聞くことができ、視野が広がるかもしれません。既に参加された方でも、ご都合のつく方は、何度でもご参加いただけます。少しでも博士後期課程に興味がある方は、お気軽に足をお運び頂き、ぜひ、この機会にたくさんの先輩方からお話を聞いてみてください。

ウェブサイト掲載用_rev

 

※事前予約は不要です

※博士後期課程に興味がある方であれば、学年、専攻は問いません。女性、リピーターも歓迎です

※ランチは、各自でご用意ください

※次回は1210() 4号館109号室で開催します

 

第1回『ドクターの先輩と話そう!ドクターコースランチ会』

2019年10月23日

第1回『ドクターの先輩と話そう!ドクターコースランチ会』が10月8日(火)、4号館109号室で開催されました。フロンティア研究院では博士後期課程に興味のある学生を対象に、質問・相談会を毎月1回(主に第2火曜日、12:00~13:00)開催しています。今回はその第1回目のランチ会の感想を、相談員として参加した博士後期学生でフロンティアDリーダーの澤田隼佑さん(共同ナノメディシン専攻)にインタビューしました。

 

  • 初めてのドクターコースランチ会の感想を聞かせてください。

「ドクターの生活について(興味のある学生に)伝える、良い機会になったと思います。思ったよりドクター進学を考えている学生がいるのだな、と思いました。」

 

  • どのような質問がありましたか。
  • 「将来(進学)のこと、経済面のこと、ドクターコースに進学した理由や、ドクターの日々の生活について質問がありました。」

 

  • 今回ランチ会を企画したフロンティアD(フロンティア研究院博士後期課程の名称)の初代リーダーに選出されましたが、その感想をきかせてください。
  • 「責任を感じますが、凄くやりがいを感じます。とても良い経験をさせてもらっていると思います。」

 

  • 澤田さんがドクターコース進学を決めた理由は何ですか。
  • 「進学を決めた理由は、研究が面白いと思ったからです。化学と生物に関する研究をしたかったので、ネットや先生の講義から興味のある研究について調べました。」
  • 「一番効果的だったのは、研究室訪問です。一人で研究室を訪問したのが、周りからの意見に惑わされることがなく、良かったと思っています。」

 

  • ドクターで一番楽しいこと、また大変だと感じることを教えてください。

「楽しいことは、研究で新しいことが解った時や、論文が出たときです。」

「大変なことは、毎日(研究を)続けることです。」

 

  • ランチ会参加を迷っている学生に、一言呼びかけをお願いします

「まずは来てみてください。考え方が広がりますよ。」

 

次回は11月12日(火)に開催を予定しています。事前予約は不要ですので、博士後期課程に少しでも興味がある方は、ランチ持参でご参加ください。

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フロンティア研究院会議室は4号館1階にありますpic 2

現役博士後期学生の相談員がドクターコースについて様々な質問に受け答えますpic 3

加藤正史 材料科学フロンティア研究院 構成員のグループ

2019年7月16日

加藤正史研究室が「Characterisation of defects in p-type 4H-, 6H- and 3C-SiC epilayers grown on SiC substrates」についての論文をMaterials Lettersに発表しました。 

SiC基板上に様々なポリタイプのSiCエピタキシャル層を成長させ、エピタキシャル層内の構造的な欠陥及び電気的な欠陥を評価しました。その結果、すべてのポリタイプにおいてステップフローエピタキシャル成長が結晶の高品質化に重要であることがわかりました。

 

論文タイトル

Characterisation of defects in p-type 4H-, 6H- and 3C-SiC epilayers grown on SiC substrates

参考URL

Materials Letters オンライン 15 July 2019

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0167577X19310298?via%3Dihub

 

加藤正史 材料科学フロンティア研究院 構成員のグループ

2019年7月16日

加藤正史研究室が「Effects of Nb Doping on the Photocatalytic Performance of Rutile TiO2 Single Crystals」についての論文をJournal of The Electrochemical Societyに発表しました。

単結晶ルチル型二酸化チタンを用いて、二酸化チタンへのNbドーピングによる光触媒活性向上のメカニズムを半導体物理的に検討しました。 Nbドーピングは電気伝導を与えますがキャリア寿命を短くするため、光触媒として最適なNbドーピング濃度が存在することを明らかにました。

 

論文タイトル

Effects of Nb Doping on the Photocatalytic Performance of Rutile TiO2 Single Crystals

参考URL

Journal of The Electrochemical Society, 166, 10, H468 (2019)

http://jes.ecsdl.org/content/166/10/H468.short

 

加藤正史 材料科学フロンティア研究院 構成員のグループ

2019年4月22日

加藤正史研究室が「Carrier Lifetime Measurements in Semiconductors through the Microwave Photoconductivity Decay Method」についての論文をJournal of Visualized Experiments*に発表しました。

半導体内に生成された電子正孔対が再結合により消滅する時間(キャリア寿命)を測定する手法として、電子正孔対によるマイクロ波の反射を利用したものがあります(マイクロ波光導電減衰法)。このビデオは、その手法を水溶液中に浸した半導体材料SiCに対して適用する手順を説明したものです。この手法によりSiCにおけるキャリア寿命のpH依存性を測定することができます。

*Journal of Visualized Experiments(JoVE)はウェブ基盤の査読付きの学術誌で、研究で用いられる実験手技をビデオから見ることが出来ます。

 

論文タイトル

Carrier Lifetime Measurements in Semiconductors through the Microwave Photoconductivity Decay Method

参考URL

Journal of Visualized Experiments (146), e59007 (2019)

https://www.jove.com/video/59007/carrier-lifetime-measurements-semiconductors-through-microwave

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